たくさんのお運び、誠にありがとうございますm(__)m。Web亭落語講座、案内人の落語語朗(らくごかたろう)と申します。皆様に落語の魅力を紹介しております。

街中でスカウトされて、アイドルに…芸能界よく耳にするシンデレラストーリーで、女の子は一度はそんな夢を描いたりするものでございます。まぁ、昨今はパパさんママさんが揃って、我が子がアイドルになるのを応援して小さい頃からレッスンに通っているなんてことも多いようですが…

落語は伝統芸能でありましたから、長い間プロの噺家(落語家)さんは男性だけでございました。初めて、女流真打が登場したのは1990年代になってからのことでございます。落語と同じ伝統芸能の義太夫では明治の頃から女流の演じ手が人気を集めておりました。娘義太夫とか女義太夫と称されておりました。

ちなみに、この明治期の娘義太夫、今のアイドル同様、熱心なファンが多数存在して、「どうする連」と称される追っかけまであって、かの夏目漱石さんも結構夢中になっていたそうです。

でも、NHKの連続テレビドラマ「ちりとてちん」がきっかけになって、落語に関心を持つ女性が増えてまいりました。落語家を目指すヒロイン役の貫地谷しほりさん、よかったですな。はまり役です。そうしたことから、お若い女性のなかでも落語にチャレンジしてみよう、プロの噺家さんを目指してみようという方も増えてきています。

京都のとある老舗の女子大学の落語研究会さんなんか、芸のレベルの高いことで有名でございます。また、「ちりとてちん」の舞台にもなった福井県の小浜市では、毎年「ちりとてちん杯全国女性落語大会」が実施されていて、75名の参加申し込みの定員もすぐにいっぱいになってしまうのだそうです。もちろん、参加資格は女性です。

このような女性の落語ブーム、やっぱり良いですな。華があります。着物の所作なんかも、お茶やお花をやっておられる女性とはまた別の優雅さを感じさせてくれます。しかしですな、女流噺家さんが感じさせてくれるものは、華だけではありません。

それは、ブームになる前から芸に精進なさっていた先達の功績ってものがあるからでありましょう。落語のお噺はほとんどが男目線の内容です。廓噺、間男の噺なんかもございます。そんなところも、女性の噺家さんが少なかった理由とされています。そんな芸のなかに女性の視点、ということを開拓されたことによって、落語の面白さが一層、際立ってきたのでしょう。

元々、お客さんは女性も多かったわけですからそういった視点の落語は求められていたのかもしれませんが、特に桂あやめ師匠の「京阪神日常事変」なんかは京都、大阪、神戸、それぞれの都市出身の若い女性の特徴が面白おかしく語られております。

もしかしたら、将来、秋葉原あたりに女性の噺家さんだけの高座が毎日開催されているかもしれません…以上、女子萌え落語の一席でございました。お後が宜しいようで…m(__)m