たくさんのお運び、誠にありがとうございますm(__)m。Web亭落語講座、案内人の落語語朗(らくごかたろう)と申します。皆様に落語の魅力を紹介しております。

落語には古典落語と新作落語がございます。古典落語は昔から伝わる落語の演目、新作落語は噺家さんや落語作家さんが新たに創作するお噺です。

落語の題材は日常生活のいろいろなところに溢れています。また、時代に合わせたアレンジが可能なのです。新作落語、実際にあなたも、つくってみませんか?つくるのも愉しいですよ。では、どのようにつくるのか、ご案内いたします。

落語のお噺をつくってみる、と申しても難しく考える必要はございません。前述のように題材は日常生活のなかにあります。では、プロの噺家(落語家)さんはどのような視点で新作落語を作っているのでしょうか。ちょっと参考にしてみましょう。

立川志の輔師匠はご自身で新作落語を作る時にこんなことを意識しているとおっしゃっています。「昔は貧乏、きたない、物がない、そういった内容の話を語っていると、みんながかわいそうね…と同情してくれた…ところが、現代はどうです、例えば、ドラッグストアに行ったらいろんな製品が溢れているでしょう。お金があって、きれいで、物があるんですよ」

こういった視点の落語が師匠の新作、「買い物ブギ」です。このお噺ではドラッグストアに買い物に来たおじさんが店員さんに「お風呂用ユアペット(洗剤のマイペットのもじり)と台所用ユアペットはどこがどうちがうの?」と質問していると、「では、どこでも使えるただのユアペットはいかがですか?」とすすめられて「じゃ、お風呂用と台所用の立場がないじゃん。専門家としての気持ちはどうするの?」と展開していきます。

いかがですか?きれいで物が溢れている現代をどんなふうにいじると落語になるか、よくおわかりになっていただけるのではないかと思われます。

そして、落語をつくるとなると落ち(下げ)をどうしよう…と思われるかもしれませんね。こちらの方もあまりひねりを意識する必要はございません。数をこなすうちにだんだんとどうひねればよいか、自然にわかってまいります。

噺の内容にそった格言や世相などを持ってくると上手くはまります。前述の「買い物ブギ」はドラッグストアが舞台ですから「バカにつける薬はございません(バカは死ななきゃ治らないとアレンジされることもあります)」という落ちです。

上方落語の演目、「ぜんざい公社」は国がぜんざい屋を経営したらどのようになるのだろうか、という発想のお噺です。縦割り行政によるたらい回しにあいながら、やっとのことでありついたぜんざいが全然甘くない…お客さんが文句を言うと、「ウチは国営ですから国会議員の先生だけに甘くしております」という落ちです。「なるほどねぇ…」そんな感覚になる落ちを考えると良いでしょう。

はじめは短い小噺のようなものでいいのです。こんなこと考えてると、自然に女の子を退屈させない話題を豊富に持てるようになるかもしれませんよ。ぜひ、あなたもチャレンジしてみてください。以上、新作落語をつくってみようの一席でございます。お後が宜しいようで…m(__)m