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落語の噺はどうやってできるの?「古典落語」、「新作落語」とは

たくさんのお運び、誠にありがとうございますm(__)m。Web亭落語講座、案内人の落語語朗(らくごかたろう)と申します。皆様に落語の魅力を紹介しております。本日は落語の世界を理解するために用語の解説をさせて頂きます。

音楽はそのジャンルによって、邦楽、洋楽、クラッシク、ロック、ラップ、ポップス、演歌…などなど、細かく分類されます。落語のお噺にもジャンルがございます。一番おおまかな分類は『古典落語』と『新作落語』でございます。新作落語は創作落語とも云われたりいたします。

落語は江戸時代、元禄年間にそのスタイルを確立いたしました。江戸と大坂、ほぼ同じくらいの時期に江戸落語と上方落語が生まれたのでございます。『古典落語』はこの時代から明治の時代頃までにお噺の筋が成立したのとされております。これに対して、『新作落語』は新しく創作された落語のお噺とされております。されておりますというのは、古典と新作を明確に分類するのは少々難しいところがあるからでございます。

それというのも、平成の時代も二十数年を経た今、昭和の初期に新しく出来上がったお噺なんぞは、かれこれ百年近くの時間を経ているわけでございます。その間にたくさんの噺家さんたちが自分なりのアレンジを加えながら演じているわけで充分に古典と捉えることもできます。

では、そのお噺の時代背景や演じ方で分類してみるのはどうでしょうか。こちらもやっぱり線引きが難しいというところはございます。月亭八方師匠は赤穂四十七士をAKB48にみたてて「AKO47」なるお噺を発表されております。四十七士が総選挙で誰が吉良邸討ち入りのセンターをとるか、という内容です。こちらなどは、やっぱり『新作落語』でしょう。

また、同じ忠臣蔵をテーマにしたお噺には、立川志の輔師匠の「忠臣ぐらっ」という演目がございます。こちらの噺の筋には現代的な要素は登場はしないのですが、タイトルや語り口などには新作的な雰囲気が感じられます。

元来、歌舞伎や芝居で人気のある演目である忠臣蔵は落語の演目になることはめったになかったとのことなのですが、お二方はそのあたりにも挑まれているのでございましょう。

まぁ、頼りない説明ではありますが、その時代で多くの方が古典と感じるのが『古典落語』、それ以外が『新作落語』というところでしょうか…

噺家(落語家)さんには『古典落語』を得意とする方、『新作落語』を得意とする方、やはりタイプのようなものがございます。もちろん、双方を上手にこなす方もたくさんおられます。

落語は伝統芸能なので、『古典落語』の方が人情味溢れる噺の方が多い、とか『古典落語』を得意とする噺家さんの方が名人として尊敬される、とかそういったことはございません。柳家喬太郎師匠の新作落語、「孫帰る」や「ハワイの雪」などは思わずジーンとしてしまいます。

新作落語は噺家さんが独自に作る場合もあれば、落語作家と云われる方が作るお噺もあります。噺家さんが落語とは関係ない短編小説などをアレンジすることもございます。へぇー、と思われるところでは、マンガ「のらくろ」の作家であられる田河水泡さんは落語作家としても有名です。

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純粋に音楽としても楽しめる「落語の出囃子」あれこれ

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たくさんの人にご自分の登場を音楽で告げる登場テーマ。アントニオ猪木は「炎のファイター」、清原和博には長渕剛の「とんぼ」といった、その人を象徴したテーマ曲がございます。それを聞くだけで、ワクワク、ドキドキいたします。出囃子は噺家(落語家)さんの登場テーマ曲でございます。

高座(落語の舞台)ではお囃子または下座と言われる方々が演奏していらっしゃいます。楽器の構成は三味線、笛、太鼓、当たり鐘がメインで、笛、太鼓、当たり鐘は前座の噺家さんの役割ですが、三味線は落語三味線囃子方(らくごしゃみせんはやしかた)という専門家の方が演奏いたします。普通に三味線を演奏している方ではないわけですな。

この出囃子、落語のファンではなくtっても、純粋に音楽として楽しむこともできます。落語の出囃子を集めたCDもございます。ソニー・ミュージック・ダイレクトから発売されている「落語出囃子100」はたくさんの出囃子を楽しむことができます。

元々は長唄を使われる噺家さんが多かったのですが、昨今では「草競馬」や「デイビー・九ロケット」などのカントリー・ミュージック、「はとぽっぽ」や「我は海の子」のような童謡、「魔法使いサリーちゃん」などのアニソンを出囃子にされている噺家さんもおられます。月亭方正(山崎邦正)さんはご自身が歌った曲、「ヤマザキ一番」を出囃子にされています。

三味線と笛と太鼓と当たり鐘で奏でられるカントリーミュージックやアニソンもなかなかオツなものでございます。どこか懐かしい雰囲気を感じます。原曲よりも少しゆったりめの調子で演奏されるところなんか、一層そんな気持ちを醸し出します。

あれ、そういえば三味線と当たり鐘金と太鼓って、なんか懐かしいものがあると思っていたら、そうちんどん屋さんです。落語をご存じでいらっしゃらない方はちんどん屋さんからクラリネットやサックスを抜かした演奏と捉えていただくとイメージがつけやすいかもしれません。尤も、こんなこと言うと、「ちんどん屋さんって何?」と質問されてしまうかもしれませんが…

出囃子は噺家さんと一体となったものですが、芸風を変えようという決心から長年親しんだ出囃子を変えたり、複数の出囃子を持ち、演じるネタによって出囃子を変えたり、する方もいらっしゃいます。

また、噺家さんは前座、二つ目、真打と昇進していきますが(上方落語にはこのようなランクはなく、キャリアによる序列があります)、お弟子さんが出世した時にご自分の出囃子をお弟子さんに譲る噺家さんもおられます。

上方落語の重鎮、桂米朝師匠は弟子でご実子でもある桂小米朝師匠が桂米團治を襲名された時、ご自分の出囃子、「三下り鞨鼓(三下りかっこ)」を譲られました。ご実子ゆえに厳しく接してこられたところがあるのですが、父として、師匠としての愛なのでございましょう。

以上、落語の出囃子の一席でございます。お後が宜しいようで…m(__)m

「扇子、手ぬぐい、見台」などなど、落語の小道具大集合

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落語は世界で一番シンプルな演劇と云われることがあります。出演者は一人、衣装は着物のみ、小道具は扇子と手ぬぐいだけなのであります。噺家(落語家)さんたちはそんな扇子を使ってタバコを吸う仕草を表現したり、手ぬぐいを使って手紙を読んだりする仕草を表現したりいたします。

でも、ちょっとした他の小道具の使用がなされることもございます。立川志の輔師匠は渋谷のパルコ劇場で実施している志の輔らくごinPARCOで毎年、趣向を凝らした演出をされています。こちらで、かけられたお噺「七福神」ではナポレオンズさんばりのトリックイラストを用いたり、スカーフのお手玉を披露して楽しませてくれました。

さて、この噺家さんが持つ小道具、扇子と手ぬぐいはカゼ(風)とマンダラ(曼陀羅)とも言われます。近頃は座布団に座ってお辞儀をした後、語り始める噺家さんも多いのですが、お辞儀のあと、おもむろに扇子をとりだして、自分の前に置く所作をする方もいらっしゃいます。この所作によって、噺家さんはお客さんとの間に結界をつくっていらっしゃいます。

それによって、私(わたくし)は居ないものだと思ってください。そういった意味が込められております。花魁のセリフを発する時は、あなた様の頭のなかで美しい女性の姿を浮かべてください。ご隠居さんおセリフを発する時はあなた様の頭のなかに頑固おやじの姿を思い浮かべてください(優しいおじいさんを思い浮かべる方もいるかもしれません)。そう呼びかけているのかもしれませんな。

噺家さんが投げかけた言葉を自分がふくらませる。それが落語ワールドの楽しみの一つでございます。日本の古典文化、短歌とか俳句なんかにもそういったところがあるのかもしれません。それが、現代の「空気読め」なんてところにつながってきたりしているのでしょう。

この噺家さん風の扇子、通販でも買えますよ。落語扇子(高座扇子)って検索なすってください。最近ではクールビズでエアコンの温度も控えめで扇子使われている方も多く見られます。落語扇子使っているとお洒落かもしれません。

さて、手ぬぐいの方でございますが、こちらには高座で噺をしている時にかいた汗を拭くという実用的な意味もあります。噺家さんが手ぬぐいをマンダラ(仏教で世界を象徴しているものです。布や紙に描かれます)と呼ぶのは、これを用いて本や手紙、財布などを表現するからでしょう。昔はこれらが世界そのものだったのでしょう。人も想いが込められているものでございます。

手ぬぐいは噺家さんがご自分の名前を染められて、ファンの方に贈られたりもしております。

そして、もう一つ、上方落語では東京の落語では使われない小道具があります。それは見台と言われる台と拍子木です。見台はちょっと小型の文机のような感じのものです。噺のメリハリを出す時など見台を拍子木でピシッ!と叩きます。

上方の噺家さんが東京で公演をする時にも使われることがあります。以前、笑福亭鶴光師匠は「東京では見台用意でけへんから、講釈師の先生から借りますのや」と言っておられました。「1回500円や」だそうです。

上方の落語はその発生期、辻(路上)で演じられることも多く、見台と拍子木の音で行きかう人の注目を集めていたのが由来になっているとも云われております。以上、落語の小道具の一席でございます。お後が宜しいようで…m(__)m

落語に登場する動物たち②「ネコとしゃべりたいニャー」

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最近は動物たちの寿命も長くなっているそうでございます。医療の進歩は人間の医療だけではなく、獣医さんの医療も進歩しているわけです。それとともにペットフードなんかも動物に必要な栄養が豊富なものがたくさん発売されています。

昔はイヌはごはんにお味噌汁をかけた「いぬ飯」、ネコはごはんにおかか(削り鰹節)をかけた「ねこまんま」が定番でしたが…でも、人間だって必要なのに自ら体内で作りだすことができる栄養素は少ないのでございます。イヌにはイヌに合った、ネコにはネコに合った食品が必要でございます。

最近のペットフードはそいうった観点で開発されています。でもでも、我が家のネコはおかかが大好物でカリカリキャットフードにおかかをかけないと口をつけようとしないのでございますが…

イヌ、ネコに限らずペットの動物たちは私たちの日常に癒しを与えてくれます。それは昔も同様でございました。落語の演目にも動物が登場する演目がたくさんございます。今回はネコをテーマとしたお噺のあれこれです。

ネコをテーマにしたお噺でおすすめなのは演目の名前がそのものずばり「猫」。桂枝雀師匠の新作落語です。こちらのお噺は枕(お噺の本筋に入る前にお客さんにふる話)の部分が師匠の別のお噺「ロボットしずかちゃん」をアレンジしたものになっています。

「ロボットしずかちゃん」はいろいろな電化製品が言葉を喋るようになったという内容なのですが、ネコも人間の言葉を喋るという設定です。ある日、主人公が飼っていたネコが人間の言葉を話すようになって、テレビのチャンネルを変えることができないからプッシュボタン式のものにしてくれと要求したり(ガチャガチャと回してチャンネルを変えるテレビ、懐かしいですね…)、お魚を買ってきてとお願いしたりします。

ところが、ネコとケンカをしてしまって、翌日からネコが話をしてくれないという展開で、落ち(下げ)は訪ねて来た管理人のおばさんが「前田さん、さっきから何、ニャーニャーニャー言ってるの?」というものです。ちなみに前田さんは師匠の本名です。ネコの気持ちがわかっている人じゃないと作ることができないし、演じることができないお噺です。

旧約聖書にソロモン王の指輪という書があります。その指輪があると、あらゆる動物の話が聞くことができる、というものなのですが、ソロモン王はある時その指輪を無くしてしまって、それまで理解することが出来ていた動物たちの話がわからなくなってしまって、途方にくれます。枝雀師匠は読書家で、宗教関係の本もよく読まれていたとのことですので、もしかしたらこの説話を元にされたのかもしれません。

江戸時代にできた「猫久(ねこきゅう)」というお噺には実はネコは登場しません。穏やかな性格で優しい久六(きゅうろく)という八百屋が主人公です。その性格からみんなに「猫の久六」とか「猫久」とか、ただ「猫」とか呼ばれて愛されている、という男です。昔の人がネコに対してどんなイメージを持っていたのか、そんなことが感じられるお噺です。

こんなふうに落語に登場する動物、きっと昔から私たちにとても身近な存在だったのでしょう。以上、落語に登場する動物たちの一席でございます。お後が宜しいようで…m(__)m

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