真夏の夜に「落語の怪談噺」…笑ってかえってあつくなる

たくさんのお運び、誠にありがとうございますm(__)m。Web亭落語講座、案内人の落語語朗(らくごかたろう)と申します。皆様に落語の魅力を紹介しております。

最近、テレビでホラー映画やホラー特番の番組が放送されるの、だいぶ減っているそうでございます。今年の夏のヤフージャパンのトップニュースにもそんなことがでておりました。日本人はホラー好きだと言われているのに不思議なことでございますな。でも、これにはわかりやすい訳があるそうなのです。

やっぱり、暑い夏にホラーで涼しげになるなんて気分がなくなってきたことが理由でしょうか。暑ければ、エアコン…って誰でも思います。当のテレビが盛んに「熱中症の予防のためにエアコンを上手に使いましょう」と呼びかけていたりいたします。寝具だって、いいものがありますよ。クール寝具と申すものですか。別に冷たい水を仕込んだりするわけじゃない。生地の素材と仕立て方でひんやりとした肌触りでございます。

もうひとつ、科学技術がこれだけ進んだので、心霊現象なんかも論理的に解明されるようになってきたので、怖いもの見たさの関心なんかも薄れてるんでしょうかねぇ。なにしろ、心霊写真をつくるアプリなんかもあるくらいですから。また、スマホのパノラマ撮影でわざと失敗してお化け顔になったりする遊びもあったりします。あれは結構楽しいですな。

でも、若い人は真夏にキャンプや合宿に行ったりした時、やっぱり肝試しやりますな。心霊スポット巡りなんかに出かけるお人もおります。だから、やっぱりそういうものに惹かれるところはあるんでしょうな。

落語にも怪談や幽霊、それに死神なんかをネタにした噺がございます。演目としては「お菊の皿」、「怪談牡丹灯籠(かいだんぼたんどうろう)」、「三年目」、「死神」などでございます。

まぁ、落語でございますから、それぞれのネタも最初から最後まで怖いだけの演出というわけではございません。怪談噺のなかにも人情味や滑稽味がちりばめられております。まぁそれがなかったら、落語じゃなくなちゃうかもしれませんし…

「お菊の皿」は番町皿屋敷を下敷きにしたお噺でございます。番町皿屋敷は江戸時代から歌舞伎や講談でも演じられております。お殿様の横恋慕からの姦計(家宝の皿を割ったと難癖つけられるのです)で手討ちにあったお菊は、幽霊になって夜な夜な井戸から現れ、皿の数を数えます。

それにしても、井戸から怖―い幽霊が現れるのは昔からの定番なのでしょうか。井戸の少なくなってきた現代ではお菊さんと貞子さんが同居している井戸なんてのもあるかもしれませんな。 

お菊さんの幽霊が皿の数を数える姿を見た者は命を落とすという噂が流れるのに、見物人は増える一方、疲れてしまったお菊さんは…こちらの「お菊の皿」、柳家喬太郎師匠、春風亭小朝師匠、立川談志師匠などによるお噺が逸品でございます。

番町は現在の東京都千代田区、一番町から六番町まであって、一番町の千鳥ヶ淵公園は桜の名所でございます。公園前の半蔵門濠ではこの季節、カップルを乗せた貸ボートがゆったりと浮かんでおります。春の日差しのなか、好きなお人と頂くお弁当もなかなかおつなものでございます。

以上、落語の怪談噺の一席でございました。お後が宜しいようで…m(__)m