落語に登場する動物たち②「ネコとしゃべりたいニャー」

たくさんのお運び、誠にありがとうございますm(__)m。Web亭落語講座、案内人の落語語朗(らくごかたろう)と申します。皆様に落語の魅力を紹介しております。

最近は動物たちの寿命も長くなっているそうでございます。医療の進歩は人間の医療だけではなく、獣医さんの医療も進歩しているわけです。それとともにペットフードなんかも動物に必要な栄養が豊富なものがたくさん発売されています。

昔はイヌはごはんにお味噌汁をかけた「いぬ飯」、ネコはごはんにおかか(削り鰹節)をかけた「ねこまんま」が定番でしたが…でも、人間だって必要なのに自ら体内で作りだすことができる栄養素は少ないのでございます。イヌにはイヌに合った、ネコにはネコに合った食品が必要でございます。

最近のペットフードはそいうった観点で開発されています。でもでも、我が家のネコはおかかが大好物でカリカリキャットフードにおかかをかけないと口をつけようとしないのでございますが…

イヌ、ネコに限らずペットの動物たちは私たちの日常に癒しを与えてくれます。それは昔も同様でございました。落語の演目にも動物が登場する演目がたくさんございます。今回はネコをテーマとしたお噺のあれこれです。

ネコをテーマにしたお噺でおすすめなのは演目の名前がそのものずばり「猫」。桂枝雀師匠の新作落語です。こちらのお噺は枕(お噺の本筋に入る前にお客さんにふる話)の部分が師匠の別のお噺「ロボットしずかちゃん」をアレンジしたものになっています。

「ロボットしずかちゃん」はいろいろな電化製品が言葉を喋るようになったという内容なのですが、ネコも人間の言葉を喋るという設定です。ある日、主人公が飼っていたネコが人間の言葉を話すようになって、テレビのチャンネルを変えることができないからプッシュボタン式のものにしてくれと要求したり(ガチャガチャと回してチャンネルを変えるテレビ、懐かしいですね…)、お魚を買ってきてとお願いしたりします。

ところが、ネコとケンカをしてしまって、翌日からネコが話をしてくれないという展開で、落ち(下げ)は訪ねて来た管理人のおばさんが「前田さん、さっきから何、ニャーニャーニャー言ってるの?」というものです。ちなみに前田さんは師匠の本名です。ネコの気持ちがわかっている人じゃないと作ることができないし、演じることができないお噺です。

旧約聖書にソロモン王の指輪という書があります。その指輪があると、あらゆる動物の話が聞くことができる、というものなのですが、ソロモン王はある時その指輪を無くしてしまって、それまで理解することが出来ていた動物たちの話がわからなくなってしまって、途方にくれます。枝雀師匠は読書家で、宗教関係の本もよく読まれていたとのことですので、もしかしたらこの説話を元にされたのかもしれません。

江戸時代にできた「猫久(ねこきゅう)」というお噺には実はネコは登場しません。穏やかな性格で優しい久六(きゅうろく)という八百屋が主人公です。その性格からみんなに「猫の久六」とか「猫久」とか、ただ「猫」とか呼ばれて愛されている、という男です。昔の人がネコに対してどんなイメージを持っていたのか、そんなことが感じられるお噺です。

こんなふうに落語に登場する動物、きっと昔から私たちにとても身近な存在だったのでしょう。以上、落語に登場する動物たちの一席でございます。お後が宜しいようで…m(__)m